ブログ

情報セキュリティとサイバーセキュリティの違いとは?セキュリティ対策の方法を解説

2023/09/20 ブログ
情報セキュリティ サイバーセキュリティ 違い

「情報セキュリティ」と「サイバーセキュリティ」は、同じ意味だと理解している方も多いのではないでしょうか。

セキュリティ担当者の方は、どちらの単語も聞いたことはあると思いますが、違いが曖昧ですよね。

 

 

この記事では、情報セキュリティとサイバーセキュリティの違いを、わかりやすく解説します。

最後まで読むことで、情報セキュリティとサイバーセキュリティの違いがわかり、自社のセキュリティ対策にも生かせるでしょう。

ぜひ読んでみてください。
 

情報セキュリティとサイバーセキュリティの違い

ファイル (72).png

結論からいうと、情報セキュリティの一部にサイバーセキュリティが含まれているイメージです。

 

情報セキュリティのデジタル化された情報に関する部分がサイバーセキュリティであり、よりデジタルの部分に特化しています。

 

それぞれの意味を解説していきます。

 

 

情報セキュリティとは?

日本産業規格の「JIS Q 27002」によると、情報セキュリティとは、情報の機密性・完全性・可用性を維持することと定義されています。

 

 

機密性

機密性とは、第三者へ情報が漏れないようにすることです。

 

不特定多数が情報にアクセスできないように、パスワードを使用したりアクセス権を管理したりして、情報漏えいを防ぎます。

 

 

完全性

完全性とは、情報を破壊されたり、改ざんされたりしないようにすることで、具体的には、情報のアクセス履歴や変更履歴を残すことです。

 

万が一に備え、バックアップをとっておくなどの対策があります。

 

 

可用性

可用性とは、情報を使いたいときに、すぐに引き出せるようにしておくことです。

クラウド化すれば、いろいろな端末から情報にアクセスできるようになります。

 

また、バックアップをとっておくことでデータが消えた場合も、すぐに復旧し情報を引き出すことが可能です。

 

サイバーセキュリティとは?

「サイバーセキュリティ基本法」の第二条に定義が書かれています。

 

要約すると、デジタル化されたデータの機密性・完全性・可用性が維持されている状態とのことです。

 

このことから、サイバーセキュリティといえば、情報セキュリティの中のデジタル化された情報の部分を指しているといえます。

 

また、近年実際に「サイバーセキュリティ」が最もよく使われるシーンは、サイバー攻撃の対策を考えるときです。
 

 

サイバー攻撃とは?【具体例】

7.png

次にサイバー攻撃には、どんな攻撃があるのかみていきます。

サイバー攻撃とは、ネットワークを介した攻撃です。

 

システムの破壊や情報の改ざん、抜き取りなどをする行為のことを指します。

具体例をみていきましょう。

 

 

マルウェア

ウイルスを含む、あらゆる種類の悪意のあるソフトウェアの総称がマルウェアです。

プログラムやファイルの一部を書き換えて自己複製するコンピューターウイルスとして知られています。

 

暗号化などによってファイルを利用不能な状態にし、元に戻すことと引き換えに金銭を要求するランサムウェアなどが代表的な手口です。

 

 

標準型攻撃

特定の組織や業界などを攻撃対象にし、機密情報の摂取などを狙ったサイバー攻撃です。


代表例として、業務関連のメールを装ったウイルス付きメールを企業の担当者に送付する方法があります。

 

ファイルを開くと感染してしまい、最終的に機密情報を盗んだりされてしまう攻撃です。

 


 

パスワードリスト攻撃

攻撃者はあらかじめ何らかの方法で、サービスやシステムのIDとパスワードをリスト化したデータを入手します。

 

それを利用し、企業や組織のWebサイトへの不正アクセスを試みる攻撃です。

 

 

DoS攻撃

対象のサイトやサーバーへ大量のデータや不正なデータを送り、システムが正常に作動しない状態にする攻撃です。

 

システムダウンすれば顧客満足度や売り上げの低下に直結するため、事前に対策しておく必要があります。

 

 

セッションハイジャック

Webアプリケーションなどの個別のセッションIDを盗まれ、本人に成り代わって通信するサイバー攻撃です。

 

不正アクセスをして個人情報や機密情報を抜き取ります。

 

 

サイバーセキュリティの現状

ファイル - 2023-08-06T062642..

サイバーセキュリティを取り巻く環境は、年々脅威が増しています。

フィッシング対策協議会によると、フィッシング件数は2022年の1年間で、約97万件になったそうです。

 

これは、2021年の約53万件と比較すると2倍弱の件数になっています。

 

また、警察庁が公表したデータでは、国内のランサムウェアによる被害件数が増加傾向になっています。

2021年には146件、2022年は上半期だけで114件となりました。

 

とくに医療機関への被害が多発していて、2021年に7件だったのが、2022年は20件まで増加しています。

 

参考:IPA「情報セキュリティ 10 大脅威 2023」│https://www.ipa.go.jp/security/10threats/ps6vr70000009r2f-att/kaisetsu_2023.pdf

 

 

サイバーセキュリティ対策の方法

4.png

前述したように、年々サイバー攻撃は増加しています。

なにも対策をうっていなければ、被害にあう確率が高くなるでしょう。

 

ここでは、セキュリティ対策の方法をいくつか紹介します。

 

 

OSやソフトウエアのアップデート

OSやソフトウェアは、アップデートして常に最新の状態にしておきましょう。

脅威やセキュリティ上の脆弱性が見つかれば、提供企業が随時修正を行っているからです。

 

サイバー攻撃は日々進化していくので、それらを予測してセキュリティ対策が完璧な状態で提供することは、不可能です。

したがって、提供したあとに見つかった脆弱性をカバーするために、アップデートしていく必要があります。

 

 

IDとパスワードの管理

IDやパスワードの管理は、情報資産へのアクセスの可否を決めるためとても重要です。

特定されると、不正アクセスされて情報を盗まれるからです。

 

パスワードはなるべく推測されにくいものを使用し、他人に絶対教えてはいけません。

また、使い回しをしていると被害が拡大する恐れがあるので絶対にやめましょう。

 

 

ウイルス対策ソフトの導入

ウイルスの侵入を防ぎ、万が一感染した場合に駆除できる可能性があるので、ウイルス対策ソフトを導入しましょう。

 

ウイルスに感染すると、パソコンが正常に動作しなくなったり、ファイルが開けない・削除されるなどの可能性があるからです。

 

ウイルスに感染したメールを勝手に送信され、自身が加害者になるケースもあります。

 

ウイルス対策ソフトを導入して被害にあったり、加害者になる可能性を減らしましょう。

 

 

従業員のセキュリティ意識を向上させる

従業員のセキュリティ意識を向上させれば、セキュリティがより強固になります。

 

例えば、ウイルス対策ソフトを導入しても、全てのウイルスを防げる訳ではありません。

それでも、システムや情報を利用する従業員の知識と意識が高ければ、防げる攻撃もあります。

 

定期的に社内教育などをして、セキュリティに対する意識を向上させる場を作りましょう。

 

 

脆弱性診断サービスを利用する

脆弱性診断サービスを利用して、自社のセキュリティの弱点を洗い出しましょう。

 

脆弱性診断とは、リストにある項目を一つ一つ網羅的に、脆弱性(弱点)がないか検査するサービスです。

 

自社のセキュリティについて、どの項目からどのように対策すれば良いかが、可視化できます。

 

また、第三者の公平な目で見てもらうことで、自身でも気づかなかった部分の対策ができるでしょう。

 

 

まとめ

ファイル (70).png

情報セキュリティとサイバーセキュリティの違いを解説しました。

 

情報セキュリティの場合は、デジタルだけでなく紙の情報も含めた広い意味でのセキュリティを考えます。

 

一方でサイバーセキュリティは、よりデジタルの部分に特化しているということです。

 

 

近年では、サイバー攻撃を防ぐ方法を考えるときに「サイバーセキュリティ」を最も使用します。

 

サイバーセキュリティは、サイバー攻撃の脅威が年々高まっていることから、とても重要です。

 

この記事を参考にセキュリティ対策をして、被害者にも加害者にもならないようにしましょう。