社用携帯のセキュリティ対策5選!導入するリスクやツールの選び方を紹介!
社用携帯のセキュリティ対策が気になるけれど、必要なの?
社用携帯のセキュリティ対策には、どのような方法があるのでしょうか。
今回は、社用携帯のセキュリティ対策を5つ解説します。また、社用携帯を導入するリスクやセキュリティツールの選び方のポイントもまとめました。
これを読めば、社用携帯を導入するリスクを知ることができ、導入した際の効果的なセキュリティ対策を実施できるようになります。
先に結論を言うと、社用携帯は私的利用することでセキュリティリスクが高まるため、運用ルールを策定したり、管理ツールを導入したりすることでリスクを低減できますよ。
社用携帯のセキュリティ対策5選!
社用携帯のセキュリティ対策には、主に以下の5つがあります。
・社用携帯の運用ルールを策定する
・端末の管理を徹底する
・インシデント発生時の対応フローを決めておく
・セキュリティアプリを入れる
・VPNを活用する
社用携帯のセキュリティを強化するためには、技術やツールに頼るだけでなく、利用する従業員のセキュリティ意識の向上が大切です。では、それぞれの対策について詳しく解説します。
社用携帯の運用ルールを策定する
社用携帯のセキュリティ対策1つ目は、社用携帯を運用する上でのルールを策定することです。
なぜなら、企業が標準的なルールを策定し、従業員にガイドラインやセキュリティ研修で分かりやすい説明をすることで、セキュリティ上のトラブルを未然に防ぐことができるからです。
例えば、設定すべき社用携帯の運用ルールには、以下の4つが挙げられます。
運用ルール | 理由 |
私的利用の禁止 |
・機密情報が外部に漏洩するなどのセキュリティリスクを未然に防ぐ |
公衆Wi-Fiの接続禁止 | ・公衆Wi-Fiには安全性が確保されていないものもあるため、セキュリティが確保されたネットワークのみを使用し、外部からの不正アクセスや盗聴を防ぐ |
業務利用以外のアプリのインストール禁止 | ・公衆Wi-Fiには安全性が確保されていないものもあるため、セキュリティが確保されたネットワークのみを使用し、外部からの不正アクセスや盗聴を防ぐ |
デバイスの暗号化とロックの設定 | ・紛失や盗難に遭った際に備えて、パスワードや生体認証を設定し、端末の不正利用を防ぐ |
従業員のセキュリティ意識には個人差があるため、社用携帯を貸与する際は、まず端末の運用ルールを明確に策定し、全従業員への研修・周知を徹底しましょう。
端末の管理を徹底する
社用携帯のセキュリティ対策2つ目は、端末の管理を徹底・強化することです。
なぜなら、従業員のセキュリティ意識が高かったとしても、端末自体の管理が適切に行われていなければ、セキュリティリスクは低減できないからです。
そのためには、推奨強度のパスワード設定に加えて、生体認証・二段階認証・ワンタイムパスワード認証などを設定しセキュリティ強化をしなければなりません。
端末のOSやアプリを常に最新バージョンにアップデートし脆弱性を解消したり、効率的に管理するためにMDMやMAMの導入を検討したりして、徹底した管理を行いましょう。
インシデント発生時の対応フローを決めておく
社用携帯のセキュリティ対策3つ目は、インシデント発生時の対応フローを事前に構築しておくことです。
なぜなら、インシデントが発生した際に、適切な対応体制が整備されていないと被害が拡大し、二次被害や企業の社会的信用を失うリスクが高まるからです。
「IPA(情報処理推進機構)」では、情報漏洩発生時の基本対応フローについて、以下の手順を推奨しています。
①発見・報告
②初動対応
③調査
④通知・報告・公表
⑤抑制措置・復旧
⑥事後対応
インシデント発生時の対応フローを決めておくことで、迅速な対応や改善が期待できるため、対応手順のマニュアルを作成しておきましょう。
セキュリティアプリを入れる
社用携帯のセキュリティ対策4つ目は、セキュリティ対策のアプリをインストールすることです。
なぜなら、詐欺サイトや悪意のあるWi-Fiなどを検知したり、アップデートされていないことを警告したりとセキュリティを高める機能が備わっているからです。
社用携帯は、パソコンと比べるとセキュリティがおろそかになりがちで社内ネットワークに侵入されやすい危険性があるため、セキュリティアプリを入れてマルウェアなどのウイルスから重要なデータを保護しなければなりません。
MDMを活用すれば一括でインストールと管理ができるため、企業で社用携帯にセキュリティアプリを導入する場合にはおすすめです。
VPNを活用する
社用携帯のセキュリティ対策5つ目は、VPN(Virtual Private Network)を設定し活用することです。
なぜなら、VPNを設定することでインターネットトラフィックが暗号化されるため、第三者やサイバー攻撃者から個人情報を保護し、プライバシーやセキュリティを向上させることができるからです。
実は、カフェや駅などにある無料の公衆無線LANは、スマホ内の重要なデータの流出やウイルス感染のリスクになりかねません。
それらのリスクを低減するのがVPNであり、データの暗号化とプライバシー保護が可能になるため、社用携帯にはVPN設定をし活用しましょう。
社用携帯を導入した際に予想される私的利用リスク
何気なく使用していたとしても、社用携帯を導入することで私的利用による情報漏洩などのセキュリティリスクが高まります。社用携帯には様々なリスクが潜んでいるため、企業や組織にとっては放置できない課題です。
では、社用携帯を導入した際に予想される私的利用リスクについて、具体的に見ていきましょう。
データ使用量や通信コストが増える
社用携帯を利用することで、データ使用量や通信コストが増えるリスクが発生します。
動画やSNSの使用、プライベートな連絡など私的な理由で使った場合、使用した分だけ通話料やデータ料がかかるため、当然ながらコストが増加します。
数名ならまだしも、何十人、何百人もの従業員が私的な理由で使用すれば、経営を上回るほどの巨額に膨れ上がるリスクも考えられなくはありません。
私的利用は、データ使用量や通信コストが増えるだけでなく、従業員の生産性低下に繋がる可能性もあるため、厳しく注意喚起しましょう。
情報漏洩などのセキュリティリスクが高まる
社用携帯を利用することで、情報漏洩などのセキュリティリスクが高まる可能性が考えられます。
社用携帯の私的利用として多い内容が、LINEによる私的なメッセージのやり取りや、業務に関係のない不要なSNS・動画・Webサイトの閲覧、ゲームやアプリの利用などです。
これらは、セキュリティ上のリスクとして以下のような理由があります。
内容 | 想定されるリスク |
LINEによる私的なメッセージのやり取り | ・私的なメッセージを通して、企業のセキュリティポリシーに反する形で機密情報が外部に誤送信される可能性がある |
SNS・動画・Webサイトの私的な閲覧 | ・不適切なWebサイトにアクセスすることでウイルス感染し、情報漏洩や不正アクセスなどのセキュリティリスクに繋がる恐れがある |
ゲームや私的なアプリのインストールと利用 |
・ゲームなどの娯楽アプリは、脆弱性が潜んでいる可能性が高く、端末に入っているデータにアクセスできる状態を作り出す危険性がある
|
万が一、ウイルス感染や不正アクセスなどから情報漏洩が発生した場合、企業や組織は社会的信用の損失や損害賠償の支払いなど、多大な損害が出る恐れがあります。
サイバー攻撃の標的になるリスクが高まる
社用携帯を利用することで、サイバー攻撃の標的になるリスクが高まる可能性があります。
サイバー攻撃者は、パソコンやインターネットなどのデータサーバだけでなく、社用携帯を標的にするリスクも充分に考えられるからです。
例えば、脆弱なセキュリティ環境を突き、マルウェアを仕込んでデータの盗難をしたり、フィッシングメールなどを送り付け、個人情報や機密情報を盗難したりする可能性があります。
セキュリティ対策が緩い携帯端末の場合は、サーバよりも侵入しやすいためサイバー攻撃の標的になり得るのです。
MDM(モバイルデバイスマネジメント)とは?
MDM(モバイルデバイスマネジメント)とは、業務利用するスマホ・タブレット・ラップトップなどの携帯端末(モバイルデバイス)を管理するためのツールです。
導入することで、スマホやタブレットなど複数デバイスを遠隔操作できるようになり、紛失した際にも、Web上でロックや初期化ができるだけでなく利用制限をすることも可能です。
情報漏洩対策やスマホの私的利用防止、ウイルス感染の危機回避など、スマホの状況を手軽に把握できるため、セキュリティ対策が容易になります。
また、MDMには以下のような機能が備わっています。
【従業員のスマホ登録や管理】
・スマホ一覧化や状況の把握
【従業員のスマホデータの保護】
・スマホ内のデータや通信を暗号化することによる情報漏洩や盗難被害の防止
【従業員のスマホ端末のロックや遠隔操作】
・紛失や盗難した際に、リモートで端末をロック、データの削除が可能
【従業員のスマホの利用制限】
・業務外のWebサイトへのアクセスや不要な機能の利用制限など
MAM(モバイルアプリケーションマネジメント)とは?
MAM(モバイルアプリケーションマネジメント)とは、スマホやタブレットなどの携帯端末にインストールされたアプリを管理するためのツールです。
クラウド経由で、業務に必要なメールやデータを閲覧でき、端末には一切の情報が残らないため、紛失や盗難した場合でも初期化する必要がありません。
MDMでは、デバイス全体のセキュリティ対策が可能ですが、アプリレベルの管理には限界があるため、アプリ管理に特化したMAMと併用することでより効率的な管理が行えます。
また、MAMには以下のような機能が備わっています。
【アプリの配布と展開】
・管理部門から業務用アプリを従業員のスマホに配布可能
【アプリの設定管理】
・アプリの設定を一元的に管理し、適切な機能制限やアクセス制限が可能
【アプリのセキュリティ強化】
・情報漏洩を防ぐためのセキュリティ対策、パスワード認証やリモート操作が可能
【アプリ利用の状況分析】
・利用状況を的確に分析し、業務の効率化やコスト削減の対策をサポート
MDM・MAMの選び方のポイントとは?
MDMやMAMは、携帯端末のセキュリティ対策に用いられ、管理者が従業員の端末を一括管理するのに役立つツールです。
「遠隔操作での設定変更」・「紛失や盗難時のロック・初期化」・「アプリの配布」・「アプリの設定管理」・「アプリのセキュリティ強化」などの機能が搭載されています。
では、導入する際、どのような基準で選べば良いのでしょうか。検討すべきポイントは以下の5つです。
【機能】
・自社の課題や要件に見合うツールを選ぶ
【セキュリティ】
・デバイスやアプリのセキュリティ面において、対策や機能が充実しているかを基準に選ぶ
【サポート体制】
・導入後のサポート、トラブル時の対応などのサポートが充実しているツールを選ぶ
【対応OS】
・iOS、Android、Windowsなど対応範囲が広いツールを選ぶ
【コスト】
・導入コストや運用コストは自社に見合った価格か、コストパフォーマンスは良いか
自社に最適なツールを導入するためには、機能やセキュリティなどが自社と見合っているかを基準に選ばなければなりません。また、コストに関しては、様々な種類のツールがあるため、複数のツールを充分に比較する必要があります。
MDMやMAMを導入することで、容易にセキュリティ対策が行える他、情報漏洩のリスクを低減させたり、管理担当者の負担を大幅に軽減したりすることが可能なため、ぜひ導入を検討してみましょう。
まとめ
今回は、社用携帯のセキュリティ対策5選や社用携帯を導入するリスク、MDM・MAMの選び方のポイントを解説しました。
近年では、効率良く業務を行うために社用携帯を導入している企業が多く存在します。しかし、従業員が私的に利用すれば情報漏洩のリスクが高まるなどのセキュリティリスクが伴うのが懸念点です。セキュリティ意識を向上させるとともに、MDMやMAMなどの管理ツールを導入し、効率的な一括管理のもと徹底した端末管理をしていただきたいです。
サイバー攻撃は、企業のパソコンやネットワークだけでなく、業務利用している社用携帯が狙われる可能性もあります。インフォシールド合同会社では、サイバーセキュリティに関するサービスの見積もりやサービス提供を行っております。
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