ランサムウェアの6つの感染経路とは?感染を防ぐ対策と感染時の対処法を解説!
ランサムウェアの感染経路が気になるけれど、どのように侵入してくるの?
ランサムウェアの感染経路には、どのような種類があるのでしょうか。
今回は、ランサムウェアの6つの感染経路を解説します。また、感染を防ぐ対策や感染時の対処法もまとめました。
これを読めば、ランサムウェアの感染経路を知ることができ、効果的な対策を実施したり、感染時に適切な対処ができるようになります。
先に結論を言うと、ランサムウェアの感染は、情報端末の脆弱性を解消したり、悪質なWEBサイトの閲覧を控えたりすることで、未然に被害を防ぐことが可能ですよ。
ランサムウェアとは?
ランサムウェアとは、「Ransom(身代金)」と「Sftware(ソフトウェア)」を組み合わせた造語で、PCやネットワークに悪影響を与えるマルウェアの一種です。
悪意のあるソフトウェアを使用してデータを暗号化し、データの復旧を条件に身代金を要求することから、「身代金要求不正プログラム」とも呼ばれています。
多くの場合は、金銭の要求が目的ですが、要求に応じてもデータが復旧できる保証はなく、さらにはデータを窃盗して脅迫する「二重脅迫」などの被害も少なくありません。
ランサムウェアの被害リスクを低減させるためには、状況に合ったセキュリティ対策を実施することが重要なため、適切な予防策や対処法を講じましょう。
ランサムウェアの6つの感染経路
ランサムウェアの感染経路には、主に以下の6つがあります。
・VPN機器の脆弱性を突いた侵入
・リモートデスクトップからのアクセス
・メールの添付ファイルやURL
・WEBサイトの閲覧
・悪意あるソフトウェアやファイルからのダウンロード
・USBメモリやHDDの接続
ランサムウェアの感染経路は多岐にわたり手口も日々進化しているため、最新の知識を持ち身を守ることが重要です。では、それぞれの感染経路について詳しく解説します。
VPN機器の脆弱性を突いた侵入
VPN機器やネットワークの脆弱性を突いて侵入し、組織内のネットワークからランサムウェアの感染が広がるケースがあります。
VPN機器は本来、オフィス外でも業務用端末を安全に利用することを目的としていますが、端末自体がランサムウェアに感染してしまった場合、VPN機器を介して被害が拡大してしまうリスクがあります。
そのため、パスワード設定を強固にしたり、ウイルス対策ソフトを導入したりして、不正な通信を防ぐ対策をしなければなりません。
自社端末の脆弱性を放置しないことはもちろん、関連企業も含めたサプライチェーン攻撃へのセキュリティ対策が必要と言えるでしょう。
リモートデスクトップからのアクセス
リモートデスクトップ機能に設定不備がある場合、発生したセキュリティホールを攻撃者が悪用して侵入し、ランサムウェアに感染するケースがあります。
リモートデスクトップとは、離れた場所にあるデバイスの画面を手元のデバイスで遠隔的に操作する機能のことです。
対象のデバイスに推測されやすいパスワードを使用している場合、攻撃者は容易に侵入することが可能であるため、不正アクセスを防ぐためには、強固なパスワード設定や二段階認証を導入してセキュリティを強化しなければなりません。
接続時の設定を見直すことや適切なアクセス権限設定をしてセキュリティを高める必要があるでしょう。
メールの添付ファイルやURL
メールの添付ファイルやURLにランサムウェアが仕込まれていた場合、そのファイルやURLを開くことでランサムウェアに感染するケースがあります。
ランサムウェア感染を試みる攻撃者は、明確な標的を持たないケースが多く、無差別に送られる傾向にあるため、十分に注意が必要です。
そのため、送信元が不明なメールや心当たりのないメールはランサムウェアを含むマルウェアの可能性を考慮し、慎重に対応しなければなりません。
メールからの感染を防ぐためには、不審な送信元からのメールやファイルは開かず、責任者や社内のセキュリティ担当に速やかに相談しましょう。
WEBサイトの閲覧
ランサムウェアに感染させることを目的として制作した悪意のあるWEBサイトに誘導し、感染ファイルのダウンロードを促す手口があります。
中には、アクセスするだけで自動的にプログラムがダウンロードされる悪質なWEBサイトもあるため、閲覧するだけでランサムウェアの感染リスクが生じてしまいます。
そのため、WEBサイトの閲覧時に画面上に何らかの表示が出た際には、必ず内容を確認することが重要です。
また、閲覧時に不審なURLに誘導されたり、ファイルのダウンロードを促されたりするケースもあるため、定期的にブラウザやOSをアップデートし、最新の状態を保つことを徹底しましょう。
ソフトウェアやファイルのダウンロード
ランサムウェアが仕込まれたソフトウェアやファイルをダウンロードさせることで、ランサムウェアに感染させる手口があります。
主にダウンロードなどのユーザー操作が感染の引き金となり、近年ではWEBサイトからダウンロードした海賊版の音楽や偽のソフトウェアなどから感染するケースも報告されています。
ソフトウェアやファイルのダウンロードからの感染を未然に防ぐためには、ダウンロードする際に必ず提供元を確認し、信頼できるソースから入手することが肝要です。
また、不用意にダウンロードしないことはもちろん、ブラウザやOSのアップデートも定期的に行うように意識しましょう。
USBメモリやHDDの接続
USBメモリやHDDなどの記憶媒体にランサムウェアを仕込み、接続された端末をランサムウェアに感染させる手口があります。
ランサムウェアを含んだUSBメモリやHDDをPCなどに接続することで端末を感染させる手口です。
また、感染したコンピュータから記憶媒体にファイルなどをコピーし、別の端末にその記憶媒体を接続した場合、接続された端末もランサムウェアに感染する可能性があります。
USBメモリやHDDの接続による感染を防ぐためには、出所不明なUSBメモリやHDDを不用意に接続しないことや、アンチウイルスソフトでスキャンを行う他、感染源となる記憶媒体をそもそも制限することが効果的でしょう。
ランサムウェア感染の被害リスク
ランサムウェアに感染すると、個人・機密情報の漏洩や業務の停止、社会的信用の低下など、大きなダメージを負ってしまいます。
また、システムやサービスの復旧には、多大な時間とコストがかかるため、企業のイメージダウンにも繋がる恐れがあります。
ランサムウェア感染による被害には、主に以下のリスクが考えられます。
・データの暗号化
・情報資産の漏洩
・システムやサービスの停止
・身代金要求による金銭的被害
・社会的信用の損失
ランサムウェアに感染した場合、一般的には重要なデータの暗号化により、感染したPCやネットワーク上のデータにアクセスできなくなります。
これらのリスクを低減させるためには、ランサムウェア感染を防ぐための対策の実施とセキュリティツールによる早期発見が重要です。
ランサムウェア感染を防ぐ対策
ランサムウェア感染を防ぐ対策は、主に以下の7つです。
・OSやソフトウェアを常に最新のバージョンに保つ
・定期的にデータのバックアップを取得する
・セキュリティ対策ソフトを導入する
・多要素認証を導入する
・アクセス権限を管理する
・不審なメールの添付ファイルやURLは開かない
・定期的に従業員のセキュリティ教育を実施する
日頃から効果的な対策を実施することで、未然にランサムウェア感染を防ぐことが可能です。では、それぞれの対策について詳しく解説します。
OSやソフトウェアを常に最新のバージョンに保つ
ランサムウェア感染を防ぐ対策1つ目は、OSやソフトウェアを常に最新のバージョンに保つことです。
なぜなら、アップデートをせず脆弱性を放置していると、脆弱性を狙われてランサムウェアに感染するリスクが高まるからです。
そのため、定期的にアップデートが更新されているか確認したり、通知設定をしたりして最新のバージョンに更新しなければなりません。
OSやソフトウェアを常に最新のバージョンに保つことは、ランサムウェアの感染予防に不可欠な対策であるため、適用されていた際は速やかにアップデートしましょう。
定期的にデータのバックアップを取得する
ランサムウェア感染を防ぐ対策2つ目は、定期的にデータのバックアップを取得することです。
なぜなら、ランサムウェアに感染してデータが開けなくなってもバックアップしたデータは復元できるため、被害を低減させることができるからです。
また、バックアップデータはネットワークから切り離し、オフラインで保存することでランサムウェアによるデータの暗号化から守ることができます。
さらに、複数のバックアップデータを異なる場所に保管することでより安全性を高めることが可能になるでしょう。
セキュリティ対策ソフトを導入する
ランサムウェア感染を防ぐ対策3つ目は、セキュリティ対策ソフトを導入することです。
なぜなら、ランサムウェアを始めとするウイルス感染の検知・検出・駆除を行えるからです。
また、感染時にPCを自動的にネットワークから遮断したり、PCの安全性が確認できるまで通信を停止したりする機能を備えたソフトなどもあります。
近年では、ゼロデイ攻撃や未知のウイルスなど、ウイルスの検知ができないケースも増えているため、次世代アンチウィルスやエンドポイントセキュリティなどを組み合わせて多層防御を行うと効果的でしょう。
多要素認証を導入する
ランサムウェア感染を防ぐ対策4つ目は、多要素認証を導入することです。
なぜなら、複数の認証設定を行うことで、ランサムウェアをはじめとするウイルスの侵入リスクを低減させることが可能だからです。
多要素認証とは、複数の手法を組み合わせた認証方法のことで、例えば、SMS認証やワンタイムパスワードなどが該当します。
また、指紋認証や顔認証などの生体認証を組み合わせた多要素認証で認証強化を行うことで、さらなる感染リスクの低減が可能になるため、導入することで効果的な対策が実施できるでしょう。
アクセス権限の管理をする
ランサムウェア感染を防ぐ対策5つ目は、アクセス権限を管理することです。
なぜなら、システムへのアクセスを限定することで、潜在的な脅威からデータを保護することが可能だからです。
悪意を持った第三者のアクセス被害を抑制するために、特権ユーザーの絞り込みやユーザー権限の厳密化を徹底しなければなりません。
厳格なアクセス制限は、不正アクセスのリスクを低減させることができる有効な手段であり、外部からの安全なアクセスも保証できるため、重要な対策と言えるでしょう。
不審なメールの添付ファイルやURLは開かない
ランサムウェア感染を防ぐ対策6つ目は、不審なメールの添付ファイルやURLは開かないことです。
なぜなら、業務でやり取りのない送信元から届くメールの添付ファイルやURLは、ランサムウェアなどのウイルスが仕込まれている可能性が高いからです。
業務上の意図や目的が明らかなメールを除き、心当たりのないメールや送信元が不明なメールは、基本的に開かないよう徹底しなければなりません。
開封時には、必ずメールの送信元や文面を確認し、ツールを利用してウイルスチェックを行うなどの注意喚起が有効でしょう。
定期的に従業員のセキュリティ教育を実施する
ランサムウェア感染を防ぐ対策7つ目は、定期的に従業員のセキュリティ教育を実施することです。
なぜなら、従業員のセキュリティ意識が低ければ、不審なメールを不用意に開封したり、個人情報を安易に入力したりするなどのヒューマンエラーに繋がるリスクある行為を犯す可能性があるからです。
例えば、ランサムウェアに感染しないための対策や注意点、万が一感染した際の適切な対処法などを周知させる必要があります。
システム上のセキュリティ対策と併せて、従業員に定期的なセキュリティ教育や注意喚起を実施しましょう。
ランサムウェアに感染してしまった際の対処法
ランサムウェアに感染してしまった際の対処法は、主に以下の6つです。
・感染したPCやサーバをネットワークから切り離す
・でんを落とさない、再起動しない
・バックアップからデータを復元する
・ランサムウェアの種類や原因を調査する
・社内のセキュリティ担当や警察に報告する
・金銭の要求に応じない
ランサムウェア感染の対策を行っていたとしても完全に防ぐことは困難なため、感染時の適切な対処法も知っておく必要があります。では、それぞれの対処法について詳しく解説します。
感染したPCやサーバをネットワークから切り離す
ランサムウェアに感染してしまった際の対処法1つ目は、感染したPCやサーバをネットワークから切り離すことです。
なぜなら、感染したPCやサーバをネットワークに接続したまま放置しておくと、社内の他の端末にも感染が広がり、被害が拡大する恐れがあるからです。
また、社内で使用している他の端末もネットワークから切り離すことで感染リスクを下げることが期待できます。
感染したPCやサーバをネットワークから切り離し、他の端末やシステムへの感染拡大を防ぎましょう。
電源を落とさない、再起動しない
ランサムウェアに感染してしまった際の対処法2つ目は、電源を落とさないことと再起動しないことです。
なぜなら、電源を落としてしまうとランサムウェアの種類や経路などを調査する際、形跡が消えて特定できなくなる可能性があるからです。
また、ランサムウェアの特徴として、再起動すると一時停止していたデータの暗号化が再開し、端末内のファイルがアクセス不可能になるリスクがあります。
そのため、驚いたり、不安になったりすることも考えられますが電源を落としたり、再起動したりしないように注意しましょう。
バックアップからデータを復元する
ランサムウェアに感染してしまった際の対処法3つ目は、バックアップからデータを復元することです。
なぜなら、データのバックアップがあれば、感染前の状態に戻すことが可能だからです。
ただし、バックアップが暗号化されていた場合やバックアップの取得方法、頻度によってはデータが復元できない場合もあるため、必ずしも復元できるとは限りません。
そのため、バックアップからのデータの復元が可能か検討した上で、システムの復旧にかかる時間や業務への影響を考慮し、バックアップの確認を行いましょう。
ランサムウェアの種類や原因を調査する
ランサムウェアに感染してしまった際の対処法4つ目は、ランサムウェアの種類や原因を調査することです。
なぜなら、二次被害に発展させないために、感染の規模や影響範囲を把握する必要があるからです。
そのため、感染が疑われる場合はウイルス対策ソフトなどを使用してランサムウェアの種類を特定し、端末内からランサムウェアの駆除まで行わなければなりません。
まずは、どのファイルが暗号化されたのか、どのシステムが感染しているのかなど被害範囲を特定した上でランサムウェアの種類や原因を調査し、駆除まで行いましょう。
社内のセキュリティ担当や警察に報告する
ランサムウェアに感染してしまった際の対処法5つ目は、社内のセキュリティ担当や警察に報告することです。
なぜなら、影響範囲の特定やフォレンジック調査に加え、被害の拡大を防ぐための適切な対応を行うことができるからです。
社内のセキュリティ担当や外部のセキュリティベンダーに相談することで、専門家による感染の状況分析・データ復旧支援・再発防止策の提案など多角的なサポートをしてもらえます。
また、社内にセキュリティ部門や窓口がない場合は、警察のサイバー犯罪相談窓口などに速やかに相談しましょう。
金銭の要求に応じない
ランサムウェアに感染してしまった際の対処法6つ目は、金銭の要求に応じないことです。
なぜなら、金銭を支払ったとしてもデータが復旧される保証はなく、むしろ「この企業は脅迫に応じる」などと、攻撃者に認識されることでさらなる金銭を要求される可能性があるからです。
こうしたリスクを避けるためには、初動対応と事前の対策が重要になるため、ランサムウェア感染時の対応手順を定めておく必要があります。
ランサムウェアに感染してしまうと暗号化したデータの復旧を条件に金銭を要求されますが、適切な対応のもと要求には応じないようにしましょう。
まとめ
今回は、ランサムウェアの6つの感染経路や感染を防ぐ対策、感染時の対処法を解説しました。
サイバー攻撃者は、企業のネットワークやメールを悪用して不正侵入したり、悪意のあるサイトを利用したりと、悪質な手口でランサムウェアに感染させようとしてきます。企業全体が一丸となって対策を実施すれば未然に防ぐことが可能なため、日頃から効果的なセキュリティ対策に取り組んでいただきたいです。
ランサムウェア感染などのサイバー攻撃から情報漏洩を防ぐため、インフォシールド合同会社では、サイバーセキュリティに関するサービスの見積もりやサービス提供を行っております。
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