脆弱性とは?発生する原因や脆弱性によるリスク、適切なセキュリティ対策を解説!
脆弱性とは何か気になるけれど、危険性はあるの?
脆弱性が存在すると、システムにリスクをもたらすのでしょうか。
今回は、脆弱性とは何かを解説します。また、発生する原因や危険性、企業が行うべき効果的な対策もまとめました。
これを読めば、脆弱性が発生する原因を知れて、危険性があると理解でき、より効果的な対策を取ることができます。
先に結論を言うと、脆弱性は日々新たに発見されており、完全に無くすことは不可能に近いため、日頃から効果的な対策を行い解消しなければなりませんよ。
脆弱性とは?
脆弱性とは、OSやソフトウェアなどのコンピュータにおいて、設計上のミスやプログラムの不具合が原因となって発生するセキュリティ上の欠陥のことです。
脆弱性を放置したままコンピュータを使用していると、その脆弱性を突かれて不正アクセスされたり、ウイルス感染したりする危険性があります。
多くの場合、脆弱性が発見されるとソフトウェアの開発メーカーが更新プログラムを作成して提供します。しかし、脆弱性は完全に対策を施すことが困難であり、日々新たな脆弱性が発見されているのが現状です。
アップデートをして一度脆弱性を防いだとしても、また新たな脆弱性が発見される可能性があるため、常にOSやソフトウェアの更新情報を収集して、速やかにアップデートしなければなりません。
セキュリティホールとの違い
脆弱性とセキュリティホールは同じ意味で用いられることが多いですが、厳密にはそれぞれ別の意味を持つ言葉です。
セキュリティホールは、ハードウェアやソフトウェアなどの不具合によって、セキュリティが脆弱になることを指します。
セキュリティホールはより具体的なリスクを意味するのに対し、脆弱性が指すリスクは不具合が要因のものだけではありません。
例えば、リリース当時の最新バージョンに欠陥がある場合でも、脆弱性という言葉を使ってリスクを意味することがあります。
脆弱性が発生する原因
脆弱性が発生する原因は主に以下の2つです。
・システム設計時のプログラミング上のミス
・設計から運用までのシステム開発における工程
これらの原因は、セキュリティ上の欠陥を引き起こし、攻撃者に悪用される可能性があります。では、それぞれの原因について詳しく解説します。
システム設計時のプログラミング上のミス
脆弱性が発生する原因1つ目は、システム設計時の予測不足やプログラム上の設計ミスです。
なぜなら、システムを設計する際に、想定外の入力に対する予測が不十分な場合などがあるからです。
例えば、脆弱性を悪用して攻撃してくる者は新しい手法を生み出すペースが速いため、システムの設計中や運用中に予想していなかった脆弱性が発見されるケースも少なくありません。
ソフトウェアを開発する過程では外部から入力されるデータのチェックは必ず行われますが、実際には脆弱性を皆無にすることは不可能なのです。
設計から運用までのシステム開発における工程
脆弱性が発生する原因2つ目は、設計から運用までのシステム開発における工程です。
設計から実装、運用というシステム開発における上流工程から下流工程にかけて脆弱性が発生するケースもあります。
特に、上流工程で発生した脆弱性の場合、下流工程でその脆弱性をフォローすることは困難です。そのため、システムを開発する際は、上流工程の段階から十分な脆弱性対策を考慮する必要があります。
よって、脆弱性が発生する原因は、システムの局所においてだけではないのです。
脆弱性によるリスク
OSやソフトウェアなどのコンピュータに脆弱性が発生し悪用されると、マルウェア感染や情報漏洩などの深刻な被害をもたらす可能性があります。脆弱性によるリスクは、企業にとって大きな影響を及ぼします。
では、脆弱性によるリスクについて、具体的に見ていきましょう。
マルウェア感染
マルウェアとは、コンピュータウイルスやランサムウェア、トロイの木馬、スパイウェアなどソフトウェアに不利益を与えるものの総称を言います。
PCやデバイスに存在する脆弱性を利用して侵入されてしまうと、内部のネットワークに広がり、情報を盗まれたりデータの改ざんなどの被害に遭います。
例えば、ランサムウェアは重要な情報を暗号化し、復旧を条件に身代金を要求します。
マルウェア感染は、脆弱性が放置されているシステムで多く見られ、迅速なパッチ適用が防御策になるため、速やかなアップデートが求められます。
社内ネットワークへの侵入
社内ネットワークへの不正な侵入は、データの改ざんや情報漏洩、システム停止などに繋がります。
また、攻撃者は脆弱性を利用して社内システムに侵入し、管理者権限を得ることでさらに深刻なダメージを与えることが可能になります。
主な侵入経路は、業務用の端末に送信されるフィッシングメールや内部ネットワーク経由であることが多いです。
従業員のセキュリティ教育を実施しセキュリティ意識を向上させることや、定期的なセキュリティチェックを行うことが対策となるでしょう。
情報漏洩
脆弱性を突いた攻撃では、情報漏洩やデータの盗難被害に遭う可能性があります。顧客情報や企業秘密が外部に流出するリスクです。
万が一、クライアントや従業員の個人情報やクレジットカード情報などの重大な情報が流出してしまうと、損害賠償などの金銭的な損失だけでなく企業に対して法的責任を問われたり、企業や顧客の信頼を失ったりすることにも繋がります。
情報漏洩を防ぐためには、入力値の検証強化やデータの暗号化、適切なアクセス権限の管理が鍵となります。
システムの停止
脆弱性を突いてシステムへ不正侵入されると、調査や復旧までの間、システムやサービスを停止せざるを得ない状況に追い込まれるケースがあります。
また、マルウェア感染や情報漏洩だけでなく、管理者権限を乗っ取られてシステムを停止されるリスクも十分に考えられます。
営業中にシステムが停止すれば機会損失などの被害が発生し、場合によっては業務の継続が不可能になり予想外の大きな被害へ発展する恐れもあります。
脆弱性を放置する危険性
脆弱性を放置する危険性は主に以下の2つです。
・外部から攻撃を受けやすくなる
・マルウェアに感染しやすくなる
企業が社内ネットワークやアプリケーションなどに関する脆弱性を放置することは非常に危険性が高いです。では、それぞれの危険性について詳しく解説します。
外部から攻撃を受けやすくなる
脆弱性を放置する危険性1つ目は、外部から攻撃を受けやすくなることです。
なぜなら、悪意のある第三者が脆弱性を突いて、内部に不正アクセスしてくる可能性があるからです。
例えば、ハッキングやスパイウェアなどを駆使して不正に侵入し、個人情報や機密情報が盗まれたり、データが改ざん・破壊されたりします。
脆弱性を放置したままにすると、外部から悪意のある攻撃を受ける隙ができてしまうため、アップデートが適用されている場合は速やかに実施しましょう。
マルウェアに感染しやすくなる
脆弱性を放置する危険性2つ目は、マルウェアに感染しやすくなることです。
なぜなら、脆弱性を突いたマルウェア攻撃は、企業のネットワークやシステムに存在している脆弱性を利用して、意図的にマルウェアに感染させるからです。
例えば、ランサムウェア攻撃やサプライチェーン攻撃などが考えられます。
企業は、脆弱性を突いたマルウェア攻撃によって、機密情報の漏洩や身代金の要求、業務停止など重大な被害を被る可能性があるため、脆弱性を放置することは非常に危険性が高いと言えるでしょう。
企業が行うべき脆弱性に対するセキュリティ対策
企業が行うべき脆弱性に対するセキュリティ対策は主に以下の5つです。
・ハードウェア・ソフトウェアを適切に管理する
・定期的に脆弱性診断を行う
・セキュリティ対策ソフトを導入する
・定期的にセキュリティ教育を行う
・最新のセキュリティ情報を把握する
サイバー攻撃の脅威から情報資産を守るためには、日々新たに発見される脆弱性に対して日頃から対策を講じなければなりません。では、それぞれの対策について詳しく解説します。
ハードウェア・ソフトウェアを適切に管理する
企業が行うべき脆弱性に対するセキュリティ対策1つ目は、ハードウェア・ソフトウェアを適切に管理することです。
なぜなら、新しい脆弱性や最新のサイバー攻撃に対してのセキュリティをより強固なものにしなければならないからです。
例えば、OSやソフトウェアを常に最新の状態にアップデートしたり、IDやパスワードを推測されにくいものにしたりするなどが挙げられます。
OSの更新情報が届いたら速やかに適用したり、こまめにIDやパスワードを変更するなど怠らず実施しましょう。
定期的に脆弱性診断を行う
企業が行うべき脆弱性に対するセキュリティ対策2つ目は、定期的に脆弱性診断を行うことです。
なぜなら、OSやソフトウェアをアップデートし、脆弱性を解消したとしても、なお脆弱性が潜んでいる可能性が十分にあるからです。
脆弱性診断ツールなどを利用して診断を行うことで、まだ潜在化している脆弱性の早期発見が可能になります。
普段行っているセキュリティ対策が万全であると過信せず、運用中のシステムや本格稼働前のシステムのセキュリティが万全な状態かどうか確認しておきましょう。
セキュリティ対策ソフトを導入する
企業が行うべき脆弱性に対するセキュリティ対策3つ目は、セキュリティ対策ソフトを導入することです。
なぜなら、コンピュータやシステムに侵入してきたウイルスを検知・検出・駆除できるからです。
例えば、ファイルの開封やプログラムの実行に伴いウイルスをスキャンするアンチウイルスソフトや、不正アクセスやデータの改ざんを防ぐファイアウォールなどがあります。
これらのツールも定期的なアップデートを行い、最新の状態に保つことで未知の脅威や新たな攻撃に対応できるため、セキュリティ対策ソフトの導入は検討するべきでしょう。
定期的にセキュリティ教育を行う
企業が行うべき脆弱性に対するセキュリティ対策4つ目は、定期的にセキュリティ教育を行うことです。
なぜなら、メールにマルウェアが仕組まれた添付ファイルやURLを従業員が開いてしまいサイバー攻撃の被害に発展する可能性があるからです。
例えば、情報セキュリティの重要性やフィッシングメールの識別方法、安全なパスワードの設定方法など、基本的なセキュリティ知識を身に付けることが重要です。
一度だけではセキュリティ意識が高まるとは言えないため、定期的な教育を実施してセキュリティ意識を向上させましょう。
最新のセキュリティ情報を把握する
企業が行うべき脆弱性に対するセキュリティ対策5つ目は、最新のセキュリティ情報を把握することです。
なぜなら、脆弱性はいつどこで発見されるか分からないため、常に最新のセキュリティ情報を把握し、適切に対策を実施する必要があるからです。
例えば、ソフトウェアの脆弱性が発表された際には、そのソフトウェアを利用していないか確認し、利用していた場合には修正後にアップデートを行う必要があります。
セキュリティ担当者に管理を丸投げせず、システムの使用者や他の従業員も最新のセキュリティ情報について知ることが大切でしょう。
まとめ
今回は、脆弱性が発生する原因や危険性、企業が行うべき効果的な対策をご紹介しました。
脆弱性は日々新たに発見されており、一度防いだとしても完全な対策を施すことは困難と言われています。しかし、脆弱性を放置すればサイバー攻撃に悪用され、情報漏洩や業務停止などのリスクが考えられるため、定期的なアップデートや脆弱性診断を実施していただきたいです。
脆弱性を狙ったサイバー攻撃は年々増加傾向にあるため、適切なセキュリティ対策を実施しなければなりません。インフォシールド合同会社では、サイバーセキュリティに関するサービスの見積もりやサービス提供を行っております。
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