ランサムウェアとは?感染経路や未然に防ぐ対策、感染した際の対処法を解説!
ランサムウェアとは何か気になるけれど、対策はあるのかと考えている方も多いと思います。
では、ランサムウェアを未然に防ぐ対策はあるのでしょうか。
今回は、ランサムウェアについて解説します。また、感染を未然に防ぐ対策や感染した際の対処法もまとめてみました。
これを読めば、ランサムウェアとは何か知ることができて、サイバー攻撃の恐ろしさを理解でき、効率的な対策を講じることができます。
先に結論を言うと、ランサムウェアは、最新の知識を持ち、しっかりと日頃から対策を講じることで未然に防ぐことが可能ですよ。
ランサムウェアとは?
ランサムウェアとは、「Ransom(身代金)」と「Software(ソフトウェア)」を組み合わせた造語で、マルウェア(悪意のあるソフトウェア)の一種です。
感染した端末やサーバ内のデータを暗号化し、データの復元を条件として身代金を要求することからそのような不正プログラムをランサムウェアと呼びます。
データの暗号化は、攻撃者しか分からないパスワードを鍵として実行されるため、自力で復元することは極めて困難とされています。
ランサムウェアは、個人、企業、政府機関などを対象として攻撃を仕掛け、深刻な被害をもたらします。
ランサムウェア感染の種類
ランサムウェア感染には、主に次の2種類があります。
・暗号型ランサムウェア
・ロックスクリーン型ランサムウェア
種類や特徴が違くとも、感染してしまうとデータやファイルを復元するための身代金を要求されます。では、それぞれの種類について詳しく解説します。
暗号型ランサムウェア
暗号型ランサムウェアとは、ハードディスクにあるデータが勝手に暗号化され、使用できなくなるランサムウェアのことを言います。
数台ほどの被害から、業務停止に追い込まれるほど深刻な被害まで規模は様々ですが、復元するために身代金の要求をされます。
ただし、身代金を支払ったからといって復元される保証はなく、身代金の支払いが攻撃者への利用供与であるとみなされる場合があります。
被害を受けたとしても、基本的には、要求を受け入れて支払いに応じてはいけません。
ロックスクリーン型ランサムウェア
ロックスクリーン型ランサムウェアとは、コンピュータやスマートフォンなど、端末ごと使用できなくなるランサムウェアのことを言います。
特定のデータが使用できなくなる暗号型ランサムウェアとは異なります。
感染してしまうと、使用していた端末の画面がブルースクリーンのようなロックスクリーンになり、ログインなども含めて一切の操作ができなくなります。
そして、暗号型ランサムウェアと同様に、データを復元するための身代金を要求されますが、要求に応じてはいけません。
ランサムウェアの感染経路
ランサムウェアは感染経路が様々で、手口は日々巧妙化しています。ランサムウェアの攻撃から機密情報を守るためには、最新の知識を持ち、常に警戒心を持つことが大切です。
では、ランサムウェアの感染経路について、具体的に見ていきましょう。
メールの添付ファイルやリンク
ウイルスを添付したファイルやリンクをメールで不特定多数に送り付けることで、ランサムウェアに感染させる手口があります。
従来の手法として比較的認知されているフィッシングメールが挙げられます。
攻撃者は、明確な標的を持たないケースが多く、無差別に実行される傾向にあるため、注意が必要です。
もし送信元が不明なメールが届いた場合は、ランサムウェアを含むマルウェアの可能性を考慮し、慎重に対応を進めましょう。
Webサイトのブラウジング
悪意のあるWebサイトをブラウジング(閲覧)するだけで、自動的にランサムウェアがダウンロードされるリスクがあります。
閲覧時に画面上に何らかの表示が出た場合は、必ず内容を確認することが重要です。
このような現象は、悪質なコードが埋め込まれたWebページにアクセスした際に発生します。また、閲覧時に怪しいURLに誘導されたり、ファイルのダウンロードを促されたりするケースもあります。
ソフトウェアやファイルダウンロード
Webサイトだけでなく、正規ではないソースから提供されるソフトウェアやファイルは特に注意が必要です。
提供者が知らないままランサムウェアを含んだファイルを提供しているケースも少なくありません。
近年では、海賊版の音楽ファイルや動画ファイルをダウンロードすることで感染するケースが報告されています。
未然に防ぐためには、ソフトウェアをダウンロードする際に必ず提供元を確認し、正規のソースからファイルを入手することが肝要です。
ネットワークへの接続
ユーザが意図した操作を行わずとも、ネットワークへの接続からランサムウェアに感染するケースがあります。
セキュリティホールをはじめとした脆弱性を悪用し、ネットワークを介して自動的に感染させる仕組みです。
このようなランサムウェアは、ネットワークに接続しただけで感染する可能性が十分にあります。
そのため、最悪の場合、組織内のコンピュータが全滅してしまうなどの深刻な影響を及ぼすことも考えられます。
VPN機器を使用した接続
セキュリティが不十分なVPN機器を介してランサムウェアに感染するケースがあります。
VPNとは、外部でも企業内と同等のネットワーク環境を使用できるようにすることを言います。
VPN機器の脆弱性を突かれることで、攻撃者は容易にネットワーク内に侵入し、ランサムウェアに感染させることが可能になります。
感染しないためには、VPN機器のファームウェアを常に最新の状態に保ち続け、適切なセキュリティ設定を行うことが大切です。
リモートデスクトップからのアクセス
リモートデスクトップからのアクセスも、ランサムウェアの感染経路の一つです。
リモートデスクトップとは、テレワーク端末からオフィスに設置された端末(PCなど)のデスクトップ環境に接続し、手元のデバイスで遠隔的に操作する仕組みを言います。
組織が利用しているリモートデスクトップに設定不備がある場合、攻撃者は脆弱性を狙ってサーバに侵入してきます。
不正アクセスを防ぐには、強固なパスワードやアクセス制限の強化が効果的です。
ランサムウェア感染を未然に防ぐ対策
ランサムウェアに感染すると種類の特定やデータの復元などが非常に困難です。そのため、事前の予防対策とセキュリティ意識の向上がランサムウェアを防ぐポイントになります。
では、ランサムウェア感染を未然に防ぐ対策について、具体的に見ていきましょう。
不審なメールや添付ファイルを開かない
1つ目の対策は、不審なメールや添付ファイルを開かないことです。
サイバー犯罪者がよく使用するランサムウェアの感染経路として挙げられます。
信用できない送信元からのメールや添付ファイルは、送信元を確認してメールアドレスが正しいかチェックする必要があります。
また、不用意にメールや添付ファイルを開いたり、リンク先にアクセスしないようにしましょう。
OSやアプリケーションを最新の状態に保つ
2つ目の対策は、OSやアプリケーションを最新の状態に保つことです。
OSやアプリケーションは日々新しい脆弱性が発見されており、定期的なアップデートが必要だからです。
アップデートを行わず、脆弱性を放置しておくとサイバー攻撃の標的になる可能性が高まります。
サイバー犯罪者に脆弱性を狙われないよう、定期的なアップデートを行い、最新の状態を保ちましょう。
IDやパスワードを適切に設定・管理する
3つ目の対策は、IDやパスワードを適切に設定・管理することです。
推測されやすいものや同じものを使いまわすとセキュリティリスクが高まるため、複雑にして定期的に変える必要があります。
IDやパスワードは、不正アクセスを防ぐため、英数字や特殊文字を組み合わせた十分な長さであることが望ましいです。
そのため、より強固なIDやパスワードを設定し、定期的に変更してセキュリティ強化を意識しましょう。
セキュリティ対策ソフトを導入する
4つ目の対策は、セキュリティ対策ソフトを導入することです。
メールやWebサイト、端末内に侵入したマルウェアを検知・検出し、自動で駆除やマルウェアの実行を防ぐためです。
他のマルウェアやハッキングツールなどを介してネットワークに侵入し、データを窃取した後にランサムウェアにより、ファイルを暗号化する手口も確認されています。
セキュリティ対策ソフトを導入することで、被害を受ける前にランサムウェア感染を防げる可能性が高まります。
データのバックアップを取得する
5つ目の対策は、データのバックアップを取得することです。
ランサムウェアに感染してしまうと、データの復元・復旧が困難なため、バックアップを取得しておけばデータの復元・復旧が可能です。
不測の事態に備えて、バックアップは定期的に取得し、ネットワークから切り離してオフラインで保存しましょう。
定期的なデータのバックアップは、手間のかかる作業ではありますがランサムウェア感染の対策としては有効です。
従業員に定期的なセキュリティ教育を行う
6つ目の対策は、従業員に定期的なセキュリティ教育を行うことです。
ランサムウェアに感染させる手口は日々巧妙化・高度化しており、変化し続けている状況に適切に対応するためです。
また、従業員にランサムウェアなどのサイバー攻撃の恐ろしさや情報漏洩の重大さを周知させる必要もあります。
ランサムウェアに感染しないための注意喚起はもちろんですが、感染後の適切な対応方法も指導し、従業員のセキュリティ意識を向上させましょう。
ランサムウェアに感染した際の対処法
日頃から対策を行っていたとしてもランサムウェアに感染しないとは言い切れません。しかし、万が一感染してしまっても適切な対処をとれば被害を最小限に抑えることが可能です。
では、ランサムウェアに感染した際の対処法について、具体的に見ていきましょう。
ネットワークの遮断
まず、ランサムウェアの感染が発覚したら、感染の疑いがある全ての端末やサーバのネットワークへの接続を遮断します。
ネットワークに繋がっていると感染が拡大してしまうので、感染しているエンドポイントを隔離するためです。
Wi-Fiで繋がっている場合はWi-FiをOFFにし、LANケーブルで繋がっている場合は物理的に引き抜いて遮断します。
ただし、感染原因の調査に必要なログなどが消失する可能性もあるため、PCやネットワーク機器の電源は落とさないよう気を付けましょう。
ランサムウェアの種類の特定
ネットワークの遮断が完了したら、ウイルス対策ソフトを利用してランサムウェアの種類の特定をします。
感染原因の調査を行い、さらに被害の拡大防止・再発防止のためです。
ランサムウェアによっては、無料の複合ツールが提供されていることもあります。一方で、複合ツールがない場合はコンピュータを初期化しなければなりません。
ランサムウェアの種類によって対処法が変わってくるため、種類の特定は慎重に行いましょう。
ランサムウェアの削除
ランサムウェアの種類の特定ができたら、コンピュータ内からランサムウェアの削除を行います。
ランサムウェアはマルウェアの一種であるため、回復プロセスの重要な点は感染したデバイスからランサムウェアを削除することです。
ランサムウェアには通常、完全に根絶することを困難にするよう設計された永久化メカニズムが含まれています。
そのため、削除にはウイルス対策ソフトを使用したり、場合によってはコンピュータを初期化しましょう。
専門家に連絡する
SOC(Security Operations Center)などの専門家がいる場合は、影響範囲の特定や感染経路・原因の調査を行ってもらうために連絡をします。
また、サイバー犯罪の実態を明らかにし、被害を拡大させないため、自社を管轄する警察のサイバー犯罪相談窓口に相談・通報しましょう。
警察に相談・通報することで、ランサムウェア対策に関して助言を得ることができます。
業種によっては、所管省庁へ報告する他、取引のあるセキュリティ企業やIPA(独立行政法人情報処理推進機構)、JPCERT/CC(Japan Computer Emergency Response Team Coordination Center)に連絡し、事後対応の指示を受けましょう。
まとめ
今回は、ランサムウェア感染とは何か、感染を未然に防ぐ対策や感染した際の対処法について解説してきました。
ランサムウェアは、フィッシングメールやネットワーク接続など様々な経路から感染する可能性があるため、機密情報を守るには、未然に対策を講じることが大切です。
特に、企業は会社の端末機器や機密情報を悪用されないよう、サイバー攻撃や情報漏洩の恐ろしさを知り、有効な対策を検討して頂きたいです。
ランサムウェア感染によるサイバー攻撃から情報漏洩を防ぐため、インフォシールド合同会社では、サイバーセキュリティに関するサービスの見積もりやサービス提供を行っております。
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