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AWS(アマゾンウェブサービス)にウィルス対策は必要?サービスの概要や対策を解説

2024/02/08 ブログ

AWSの利用を検討している方の中には、セキュリティ面に対する疑念や不安を持つ方もいるかもしれません。AWS導入前にセキュリティについての理解を深めておくことで、安心して活用することができます。

この記事では、AWSにウィルス対策が必要かどうか、AWSのセキュリティ機能について解説します。

AWSのセキュリティの強みや留意点についても説明するので、AWSのセキュリティに関する知識を深めたい方は、ぜひご参考にしてください。
 

AWS(アマゾンウェブサービス)とは?

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AWSとはAmazonが提供するクラウドサービスです。もともとはAmazon自身のインフラ整備のために作られ、後に他社向けに展開されました。

様々なサービスが提供されており、システム運用やアプリケーション開発などに必要な機能を網羅しています。常に新しいサービスを提供し続けており、業界でもトップシェアを誇ります。
 

AWSが提供する主なサービス

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AWSが提供する主なサービスを下表にまとめました。

サー ビス名  用途 特徴
Webサイト、
各種サーバーの運用
Webサイトや各種サーバーの運用 仮想サーバーとして必要なリソースを必要な分だけ調達可能
データの保管、
バックアップ
データの保管やバックアップ ファイルの保管やアーカイブに利用可能で、リーズナブルな価格設定
データベース データベースの構築と管理 多くのDBエンジンをサポートしており、アップデートやバックアップなどの保守業務をAWS側でサポート
 DNS機能 DNS(ドメインネームサービス)機能 高可用性のマネージドサービスであり、新規ドメイン取得や既存ドメインの登録、監視や基盤障害時の切り替え設定が容易
負荷分散機能 負荷分散機能の実装

Webサービスの負荷を分散し、安定性や高可用性を向上させる
インターネットを介さずにAWSの各サービスに接続可能で、高セキュリティと安定した通信速度を提供

仮想デスクトップ

仮想デスクトップサービス

常に同じ作業環境を利用可能で、情報漏洩対策として有効

 

気になるAWSのセキュリティレベル

クラウドとオンプレミスを比較する際、クラウドのセキュリティに対する不安が存在するかもしれません。しかし、AWS(Amazon Web Services)は金融業や官公庁、地方自治体など、セキュリティが特に厳しいとされる業界での採用実績があり、高いセキュリティレベルを確立しています。

オンプレミス環境では、サーバーやソフトウェアの用意が必要です。対照的に、AWSなどのクラウドサービスでは、サーバーの事前準備が不要なため、迅速な導入が可能です。

セキュリティに関する知識を習得することで、AWSのスムーズな導入やシステムのリリースが実現できるでしょう。
 

AWSのセキュリティの特徴

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AWSのセキュリティの特徴について解説します。

 

①状況に応じて自動で拡張

AWSは、セキュリティサービスの自動的な拡張を行うため、企業は自ら拡張作業に手間をかける必要がありません。一方で、オンプレミスの環境ではトラフィック量が増加すると、セキュリティ製品の追加やライセンス数の増加などの対応が必要です。

これに伴い、自社での管理作業が煩雑になるだけでなく、一時的にサービスが中断される可能性もあります。AWSでは、トラフィックの増加に合わせて自動的にセキュリティが拡張されるため、企業は自らセキュリティサービスやライセンス数を追加する手間が省けます。

ただし、サービスによっては追加の利用料が発生する場合があるため、注意が必要です。また、AWSのセキュリティは最新技術を採用しながらも、数クリックでセキュリティ設定・強化が行える使いやすさがあります。

これは初めてシステム開発・運用を行う方にとってもおすすめです。
 

②セキュリティ認証取得が不要

AWSは責任共有モデルを採用しており、セキュリティの認証やサーバー管理などの全ての責任を利用者が負う必要はありません。AWSと利用者の間でどの範囲で責任が発生するかが明確に定義されています。

これに対して、オンプレミスの環境ではデータセンターなどのセキュリティについて自己管理が求められます。

しかし、AWSの場合はデータセンターなどのセキュリティについて心配する必要がないため、セキュリティに関する負担が軽減されるメリットがあります。
 

③導入費用と期間を削減

AWSのセキュリティサービスを導入する際、初期費用が不要で迅速に利用できます。これにより、オンプレミスと比較して導入にかかる費用や期間を大幅に削減できます。

セキュリティサービスの導入期間を短縮することで、即座にセキュリティの強化を行うことが可能です。新しいセキュリティサービスを導入するまでの待ち時間がないため、サービスの一時停止などのリスクも軽減できます。
 

④専門チームによるシステム監視

AWSでは、セキュリティに特化した専門のチームが24時間365日、システムの監視を行っています。これにより、自社がトラブルに気づかなくてもAWS側が迅速に検知し、対処することが可能です。

業務時間外にトラブルが発生しても、AWSのセキュリティ専門チームが的確に対応してくれるため、安心して利用できます。

また、AWSはトラブルやセキュリティイベントを検知した際には、メールなどを通じてユーザーに通知する仕組みが整っているため、迅速な情報共有が可能です。ただ、OSやミドルウェアなどAWSのセキュリティ専門チームの対応範囲外の保守に関しては、自社が求めるセキュリティ要件に応じて、AWSの保守運用に特化した会社への相談を検討してみても良いでしょう。

AWSセキュリティにおける注意点

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AWSのセキュリティ対策においての注意点を解説します。
 

パスワード認証のみを過信しない

AWSでは、パスワードだけでなく「公開鍵認証方式」を利用することでセキュリティを向上させることができます。公開鍵認証方式とは、AWSとユーザーが共有する鍵を生成し、互いを認証する方法です。

これにより、より高度なセキュリティを確保できます。
 

情報漏洩のリスクがある

AWSは、接続元IPアドレスを制限するなど、さまざまな対策が講じられています。しかし、これらの対策が適切に行われていないか、セキュリティが不十分な場合は情報漏洩のリスクが高まります。

特に、インターネット経由でデータの送受信が行われる場合は、重要なデータが含まれた通信内容が搾取されるリスクも考えられます。アカウントの乗っ取りを防ぐための対策と同様に、24時間体制で監視する必要があります。

不正アクセスを完全に防ぐためには、セキュリティサービスを活用して不正アクセスを防止することが不可欠です。
 

サイバーイメージはコピーしない

AWSでは、既存のサーバイメージを単にコピーするだけで新しいサーバを構築できます。

この機能は拡張性を考える上で非常に便利ですが、コピー元が更新されていない場合や脆弱性が残っている可能性があるため、慎重に取り扱う必要があります。
 

ポートを開いたままにしない

AWSは、公共の環境で運用されているため、開かれたままのポートは攻撃の対象となりやすいと言えます。また、AWSへの侵入があればそれが直接システムへと繋がる可能性があります。

したがって、セキュリティを確保するために、ポートは定期的に閉じるようにしましょう。
 

脆弱性が原因でシステム停止になることもある

AWSのクラウドリソースが攻撃されるリスクは非常に低いですが、全くないとは言い切れません。したがって、脆弱性の隙をつかれて攻撃されるリスクが少なからず存在します。

社外に公開されたシステムは攻撃を受ける可能性が高まります。サーバー停止を狙った攻撃などにより損害が生じるリスクも考慮しながら、セキュリティ対策をしっかりと行う必要があります。

脆弱性に関する対策は「専門分野」となりますので、社内で知見のある人材がいない場合には外部の専門会社へ相談するのがおすすめです。
 

まとめ

AWSセキュリティは、自動的な拡張や容易なセキュリティ強化など、初めてシステム開発を行う方にとって数々のメリットがあります。オンプレミスと比較してセキュリティサービスの導入費用を抑えられるため、セキュリティにかかる費用を節約したい場合や予算が限られている場合にもおすすめです。

ただし、AWSはクラウドサービスであるため、アカウントの乗っ取りやウイルス攻撃によるシステム停止などのリスクが存在しますAWSの利用を検討する際には、さまざまなリスクも把握した上で、適切なセキュリティ対策を行うことが重要です。


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