脆弱性の読み方とは?知っておくべきリスクと取るべき対策を解説
『脆弱性』という言葉を知っていますか。これは、インターネットやソフトウェアなどに存在する情報セキュリティ上の不備や欠陥を指します。これらの脆弱性を無視し続けると、企業にとって損失を招く可能性があります。
脆弱性にはさまざまな種類があるため、企業はそれを理解し、適切な対策を講じる必要があります。この記事では、脆弱性の主な種類やリスク、対策について解説します。
ぜひご一読ください。
「脆弱性」ってなんて読むの?
普段聞きなれない言葉なので、どう読むのか疑問に感じる方も多いかもしれません。まずは、「脆弱性」の読み方や意味について説明します。
「脆弱性」は日本語で『ぜいじゃくせい』と読み、情報セキュリティにおける不具合を意味します。建物のセキュリティに問題があると、不審者が侵入して財産を奪ったり、施設内の設備を破壊したりする危険性が生じます。
それと同様に、コンピューターのオペレーティングシステムやソフトウェアに情報セキュリティ上の不具合が存在すると、不正アクセスやマルウェアなどの悪意ある攻撃に対して脆弱性が増すことになります。
これらリスクのことを総称して「脆弱性」と呼びます。
脆弱性が発生してしまう原因
脆弱性が発生する原因として、プログラムのコーディングミスや設定の誤り、悪意を持つ者による故意の弱点設定などが挙げられます。さらに、脆弱性の一つとして予期せぬ入力に対する対策が不足している点もあります。
例えば、ソフトウェアの開発では、外部からのデータ入力に対する検証が常に行われます。しかし、単に脆弱性の存在を想定して対策を完璧にするだけでは不十分です。
攻撃者は常に新しい攻撃手法を模索しており、システムが運用されている最中に予期せぬ脆弱性が明らかになる可能性もあります。また、システムに脆弱性が発生する原因として、設計や運用といったシステム開発の各工程で生じることもあります。
特に初期の工程で発生した脆弱性に対しては、工程が進むにつれて修正が難しくなる傾向があります。そのため、システム開発では初めから十分な脆弱性対策を考慮して開発することが重要です。
脆弱性を放置するリスク
今まで被害に遭ったことがないからと言って、脆弱性を放置するのは大変危険です。攻撃者がこれを悪用し、様々な被害を引き起こす可能性があります。
脆弱性を放置するリスクについて解説します。
不正アクセスによる情報流出
攻撃者は、企業の脆弱性を標的とし、ハッキングやスパイウェアなどの技術を駆使して、ネットワークやシステムに不正なアクセスを試みます。
不正アクセスが成功した場合の影響は、以下の通りです。
・個人情報や機密情報の盗難
・システムの正常な運用の妨害
・悪意のある広告の表示
・不正アクセスによる業務の滞りに伴う経済的損失
これに加えて、個人情報の漏洩などの被害が発生すれば、企業は顧客や取引先からの信頼を喪失する可能性があります。
マルウェア感染によるシステム破壊
企業の脆弱性を標的としたマルウェア攻撃は、攻撃者が企業のネットワークやシステムに存在する脆弱性を利用し、意図的にマルウェアを感染させる手法です。
代表的なマルウェア攻撃には、以下のものがあります。
・ランサムウェア
・サプライチェーン攻撃
・IoTマルウェア
これらの脆弱性を突くマルウェア攻撃により、企業は機密情報の漏洩、身代金の要求、運用停止などの深刻な被害を受ける可能性があります。さらに、長期的には企業の信頼性やブランドイメージに悪影響を与えることが考えられます。
内部者による不正被害
脆弱性を悪用する攻撃は、悪意を持つ外部者だけでなく、社員や関係者などの内部者によっても引き起こされる可能性があります。
内部者による被害の例には以下が挙げられます。
・機密情報の不正持ち出し
・不正なアカウントによる情報窃取
・誤って顧客情報を外部に送付
内部者は社内のセキュリティ状況を熟知しており、動機があれば外部者よりも容易に攻撃が成功する可能性があります。実際、大規模な情報漏洩事件の中には、セキュリティの疎かさを悪用した内部者による事例も多く見受けられます。
企業ができる脆弱性への対策
企業ができる脆弱性への対策について解説します。
定期的に脆弱性診断サービスを使う
「脆弱性診断サービス」は、自社で開発したソフトウェアやアプリケーションに存在する潜在的な脆弱性を把握するために役立ちます。
このサービスは、ソフトウェアやアプリケーションをスキャンしたり、模擬的なサイバー攻撃を実施したりして脆弱性を特定するものです。これにより、潜在的な脆弱性を早期に発見し、対策を講じる際に必要な情報を得ることができます。
脆弱性診断サービスの利用により、脆弱性の特定が容易になり、それに対する適切な対策を把握しやすくなるでしょう。
脆弱性に関する情報収集を行い続ける
セキュリティ担当者に全てを丸投げせず、コンピュータの利用者や管理職も最新のセキュリティ情報を把握することが重要です。たとえば、ベンダーから提供されたソフトウェアのアップデートが予定されている場合、事前に期日や内容に関する告知が行われます。
全てのコンピュータ利用者がこれに注意し、問題が発生する前に対処できるよう心掛けましょう。アップデートが予定されている場合、アップデート日までに何かしらの問題が発生する可能性も考慮し、セキュリティに関する意識や備えを整えておくことも重要です。
それにより、問題が発生してからではなく、事前に対処策を検討して対応できるようになります。
設計段階から脆弱性対策を考える
脆弱性の多くは、WebサイトやWebアプリなどが設計される段階でのリスクに対する意識や考慮の不足が原因です。Webサービスが完成してから脆弱性対策を施すことは、非効率で時間と労力の無駄となります。
そのため、効果的な脆弱性対策には、設計段階から脆弱性対策を考慮することが極めて重要です。要件定義、設計、実装、テスト、運用など、各段階で脆弱性やセキュリティの点検が欠かせません。
脆弱性には「迅速かつ正しく」対処する
社内で脆弱性が検出された場合、素早い対応が不可欠です。非常事態に適切に対処できるよう、攻撃に晒された際の対処手順を事前に確認しましょう。
問題となっている脆弱性の危険性や攻撃のリスクや影響について理解し、影響が及ぶ範囲に対する対策を決定します。必要な期間やサービス停止の必要性なども確認した後、必要な対処を速やかに実施します。
まとめ
情報システムの脆弱性を狙う攻撃者は、絶えずシステム内の欠陥や脆弱性を見つけ出そうとしています。現状ではほぼ完璧な情報システムは存在せず、したがって、情報システムを運用する上で脆弱性への対処は絶えず必要です。
セキュリティ対策は確かに大きな負担となりますが、情報システムにおけるセキュリティは投資に値するものであり、損害を最小限に抑えるための重要な手段です。
脆弱性情報を定期的に確認し、適切なセキュリティ対策を実施することは、情報システムを運用する上で不可欠であり、重要な役割を果たします。脆弱性を放置することは企業にとってマイナスにしかなりません。
「自社のサイトは大丈夫だろうか?」と不安になった方は、インフォシールド合同会社へお気軽にご相談ください。脆弱性は、早めの対策が肝心です。被害が出る前に、しっかり対策を行いましょう。
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