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SSL証明書の仕組みや種類をわかりやすく解説

2023/07/05 ブログ

「SSL証明書」という言葉を聞いたことがあっても、意味をしっかり理解している方は少ないのではないでしょうか。

 

この記事では、SSL証明書の仕組みをわかりやすく図で解説します。SSL証明書がどのように作成され、どのようにウェブサイトのセキュリティを強化するのかを知り、適切な対策を行いましょう。

 

ぜひ参考にしてください。
 

SSL証明書とは?

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SSLサーバ証明書とは、ウェブサイトの実在性を確認し、ブラウザとウェブサーバ間の通信データの暗号化を行うための電子証明書のことです。この証明書は、信頼性のある認証局によって発行されます。

 

SSLサーバ証明書には、

  • ・ウェブサイトの所有者情報

  • ・暗号化通信に必要な鍵

  • ・発行者の署名データ

 

などが含まれています。

 

SSLサーバ証明書がウェブサイトに導入されるとURLが「HTTPS」から始まり、ブラウザ上には鍵マークが表示されます。この表示によって、ユーザーはウェブサイトの正当性とセキュリティが保護されていることを確認することができます。

 

SSLサーバ証明書は、通信データの暗号化により第三者がデータを盗み見ることを防ぎ、安全なオンライン通信を実現します。
 

SSL証明書の仕組み

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SSL証明書の仕組みについて詳しく解説します。インターネット上でのセキュリティを向上させるために、SSL証明書の仕組みを正しく理解することが不可欠です。

 

やり取りする情報の暗号化

SSL証明書を導入することで、途中で第三者に見られても情報が伝わらなくなるのです。暗号化した情報は、受け取るときに復号できるようになっているので、やりとりしている人達だけがわかる仕組みになっています。

 

⒈クライアントがパソコンのWebブラウザで企業サイトにアクセスするときに、通信先サーバへ接続を要求します。

 

2.通信先サーバからSSL証明書(サーバ証明書)と公開鍵が送られてきます。

 

3.クライアント(利用者のコンピュータ)側で、Webブラウザに事前に搭載されているルート証明書(認証局が発行したSSL証明書であることを確認するための証明書)を使い、送られてきたSSL証明書が有効なのか検証します。

 

4.有効なSSL証明書であった場合は、「共通鍵(セッションキー)」を作成します。

 

5.共通鍵は、通信先サーバから送られてきたSSL証明書と同時に送付された「公開鍵」で暗号化され、通信先の「秘密鍵」で復号できます。

※ちなみに「秘密鍵」とは、対になっている「公開鍵」で暗号化されたデータを復号する「鍵」のことです。

 

6.クライアント(利用者のコンピュータ)側で、共通鍵を使い通信データを暗号化して、通信先サーバに送ります。通信先サーバーは、共通鍵を使って通信データを復元して、データを取得します。

 

この仕組みはネットバンキングやインターネット上で個人情報を入力する場合に、よく使用されています。
 

運営者の実在性確認と証明書の種類

SSL証明書を取得する際に、該当のウェブサイトを運営する組織が実在し、ドメイン名の使用権を持っていることを審査します。

認証局がサイト運営組織を審査して合格すると「SSL証明書」を発行してもらえるのです。

 

SSL証明書は3種類に分類されます。それぞれ信頼度が違うので、どの種類の証明書を持っているかが重要です。

 

以下は、3種類の証明書の特徴をまとめた表です。

証明書タイプ

DV(ドメイン認証)

OV(組織認証)

EV(EV認証)

実在証明

ドメインの所有権のみを証明する

組織の実在性とドメインの所有権を証明する

高度な実在証明とドメインの所有権を証明する

発行時間

短期間(数分から数日)

中程度の期間(数日から数週間)

長期間(数週間から数ヶ月)

手続きの容易さ

手軽に取得できる

組織の実在性を確認する手続きが必要

組織の厳格な実在性を確認する手続きが必要

表示される情報

ドメイン名のみ表示される

組織名とドメイン名が表示される

組織名とドメイン名が表示される

ユーザー信頼性

低い

中程度

高い

適用範囲

個人のウェブサイトや小規模ビジネス向け

中小企業から大企業向け

高度なセキュリティが必要な金融業など

 

詳しく解説します。

 

DV(ドメイン認証)

DV(ドメイン認証)証明書は、ドメインの所有権のみを証明するものであり、発行時間が短く手続きが簡単です。

ただし、実際に運営組織が存在するかは審査しないので、信頼性は低いです。主に個人のウェブサイトや小規模ビジネス向けになります。
 

OV(組織認証)

OV(組織認証)証明書は、発行時間や手続きはDV証明書よりも長く、中程度の信頼性があります。

組織名とドメイン名が表示されるため、ビジネスの信頼性を高められます。主に中小企業から大企業向けです。

 

EV(EV認証)

EV(EV認証)証明書は、高度な実在証明とドメインの所有権を証明するものです。発行時間が長く、組織の厳格な実在性を確認する手続きが必要です。

多くの手間と費用がかかることから、なりすましや詐欺目的でこの証明書を利用するのは考えにくいので、信頼度は高いと言えるでしょう。

 

SSLはどうして必要なの?

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インターネット上の通信は、特定の手法を使用することで盗聴される可能性があります。ネットワーク内で通信を傍受するために、専用の機器やソフトウェアが悪意のある人によって悪用されることがあります。

 

SSL証明書を利用することで、通信内容を効果的に暗号化することができ、第三者がその内容を解読することを困難にすることが可能です。したがって、通信内容が盗聴されても、暗号化されているため、意味のある情報を取得することができません。

 

SSL証明書は、個人情報の漏洩を効果的に防ぐために必要なのです。
 

SSL証明書で防げない攻撃

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Webサイトのセキュリティは、SSL証明書を導入していれば大丈夫というものではありません。SSL証明書がセキュリティ上とても重要なのは間違いないのですが、SSLだけですべてのサイバー攻撃を防げるわけではありません。

 

通信情報を盗み見されないだけで、サイバー攻撃を仕掛けられないということではないからです。アドレスバーに錠のマークが出ていれば安心と思っている人も多いですが、詐欺サイトじゃないという保証はどこにもありません。

 

例えば「shop.jp」というサイトがあって、SSL化していた場合、第三者がデータを途中で抜き取ったり改ざんしたりすることはできません。しかし、そもそも「shop.jp」がフィッシングサイトであることも考えられます。

 

もう一つ欠点をあげると、SSL証明書は、通信のすべてを隠せるわけではありません。ネットワーク管理者なら、ユーザーがどのサーバーと、どれぐらいの長さのデータ通信をしているかを見られます。このことを悪用して、攻撃してくることも考えられます。
 

まとめ

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SSL証明書は、私たちが日常的に利用しているインターネット上での安全性を確保するために重要な役割を果たしています。特にオンラインショッピングや個人情報の送信など、顧客の大切な情報をやり取りする際には、必ずSSL証明書の仕組みを利用しましょう。

 

SSL証明書の仕組みは、ウェブサイトとユーザーとの間で安全な通信をするために必要な仕組みです。証明書には、ウェブサイトの正当性を確認するためのデジタル署名が含まれており、認証局によって発行されるため、サイト全体の信頼度が高まります。

 

大切なウェブサイトや顧客の安全を守るためには大切な施策の一つといっても過言ではないでしょう。